ウォーターサーバーの水は安全?

日本では加熱殺菌も濾過による除菌もしていないミネラルウォーターは、私の知る限り一本も製造されていません。その理由は何なのでしょうか。それは、日本には厚生省げ挙げた一定の条件を充たすミネラルウォーターの原水が、ほとんどないからです。

じつは、日本でミネラルウォーターを製造しているメーカーの多くは、採水する井戸とボトリングする工場が別の場所にあり、井戸から汲んだ水をトラックに積み工場に輸送してからボトリングしています。

だから。源泉から採水した水をそのまま容器に充填する”ということができません。採水地から原水をトラックで輸送しているということは、原水が井戸からトラックのタンク、そして工場のタンクと運ばれる途中で外気に触れる可能性が高くなることを意味します。その間に“有害な菌に汚染されない”ようにするのは難しいはずです。だから、日本で製造されているミネラルウォーターの中で、原水をそのまま無殺菌で販売できるものは数えるほどしかないのです。これがほとんどの日本の水が殺菌または除菌をしている理由です。

日本の一部の学者や関係者には「加熱殺菌しているから日本のミネラルウォーターはヨーロッパのものよりも安全である」という人がいます。でも、殺菌さえしていれば、その水は本当に安全といえるのでしょうか。確かに加熱殺菌をすることで、人体に危害をおよぼすような病原菌の類は、すべて死滅してしまいます。しかし、ミネラルウォーターの原水に含まれる危険要素は、病原菌ばかりではありません。

たとえば、その発ガン性が認められているトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの有機溶材や、ゴルフ場で公然と使用されている除草剤や殺虫剤といった農薬も、ミネラルウォーターの原水である“地下水”を汚染している危険物質であるはずです。こうした化学物質は加熱したから除去できるという性質のものではありません。もちろん1994 年に改正された現行の基準には、日本のミネラルウォーターの原水に。

農薬やPCB 類が検出されてはならない” という条項が付加されました。しかし、日本のメーカーがヨーロッパのような水源周辺の環境保全に取り組まない限り、ダイオキシンに代表される「環境ホルモン物質」といった新たな危険物質が、今後もミネラルウォーターの水源を汚染しないという保証はどこにもないのです。

ウォーターサーバーのは無殺菌、フィルター除菌されている

先ほど、日本のウォーターサーバーは殺菌(または除菌)をしているのに対し、ヨーロッパ(EU加盟国)のナチュラルミネラルウォーターは無殺菌のままである、と説明しましたが、厳密にいうと、ミネラルウォーター類は、その殺菌方法によって、以下の4つに分類されます。

無殺菌ウォーターサーバー

加熱処理をはじめとするいかなる殺菌処理も、フィルターによる除菌処理もせず、地下の水源から汲み上げたそのままを、空気に触れることなくボトリングしているもの。一切の処理がされていないので、真の意味で“天然水”と呼ぶことができる。ヨーロッパで製造されているすべての〈ナチュラルミネラルウォーター〉がこれにあたるが、日本にはこれに該当するものはない。

フィルター除菌ウォーターサーバー

加熱などによる殺菌処理はしていないが、セラミックや中空糸膜などの濾過フィルターを用いて、除菌処理をしたもの。有害な雑菌を取り除いてあるのはもちろん、非加熱であるため、水に含まれるミネラルが減少したり水のおいしさの要素である酸素や炭酸ガスが失われることがなく、自然に近いおいしさが味わえる。ただし雑菌と同時に人体に有益な生菌も除去されてしまう。

非加熱殺菌ウォーターサーバー

加熱殺菌でもフィルター除菌でもなく、オゾン殺菌や紫外線殺菌といった非加熱の殺菌処理をしているもの。日本のメーカーで使用しているところは少ないが、アメリカではこれらの殺菌方法が最もポピュラーである。非加熱だけに水のおいしさは保てるが、その安全性に疑問を抱く向きもある。日本ではこの殺菌をした水はナチュラルミネラルウォーターとは認められない。

加熱殺菌ウォーターサーバー

日本の食品衛生法にある85度で30分以上加熱するか、それと同等の熱量を加えたもの」という定めに従って殺菌したもの。日本で市販されている商品の多くが、この方法を採用している。ただし実際の処理の仕方は各メーカーによってまちまちである。

安全面では最も確実な方法だが、微量ではあるが水の中の酸素や炭酸ガスが失われ、ミネラル分か減少、変質する可能性がある。あくまで衛生という観点からいえば、ミネラルウォーターの殺菌処理を否定することはできません。

しかし、飲んでおいしく、また健康維持に役立つという点を考慮すれば、製造工程でのミネラルウォーターの処理は、なるべく少ない方が望ましいといえます。ですから、飲むという目的であれば、加熱殺菌の水よりも、無殺菌、またはフィルター除菌のミネラルウォーターを選ぶ方がいいでしょう。しかし、炊飯や料理、またはコーヒーや紅茶をいれるといった目的に使用する場合は、結局、加熱をするわけですから、加熱殺菌をした水でも全く問題はありません。